まず前提として、2025年の美容業界は「回復」や「成長」という単語だけでは語れない一年でした。
コロナ後の反動需要が一巡し、構造そのものが変わり始めた年だったと私は考えています。

この記事では、美容業界関係者の皆さんが

  • 2025年を一気に振り返りたい
  • 来年の戦略のヒントを掴みたい

そんな目的を1分で把握できる形で、「美容業界10大ニュース」として整理します。


2025年の美容業界を一言で言うと?

一つポイントになるのは、「売れるブランド」と「残る企業」がはっきり分かれた年だったことです。

技術革新・消費者意識・流通構造の変化が同時に進み、「今まで通り」では成果が出にくくなりました。


2025年 美容業界10大ニュース

① インフレ定着と“値上げ疲れ”の顕在化

原材料・物流費の高止まりにより、価格改定は常態化。
一方で消費者側には値上げ疲れが広がり、「価格の理由説明」が売上を左右しました。

② 高価格帯スキンケアの二極化

ラグジュアリーは好調、一方で中途半端な高価格帯は苦戦。
「価格以上の意味」が明確なブランドだけが選ばれました。

③ メンズ美容市場が“定着フェーズ”へ

メンズコスメはブームから生活習慣化へ。
洗顔・スキンケアは当たり前、次は頭皮・眉・UVが成長領域です。

④ AI活用がマーケティング現場に本格浸透

商品開発・需要予測・販促コピー生成など、AIを使う企業と使わない企業の生産性格差が一気に拡大しました。

⑤ 百貨店化粧品売場の役割転換

売上回復よりも、ブランド体験と顧客育成拠点へのシフトが鮮明に。
「売る場所」から「関係を深める場所」へです。

⑥ D2Cブランドの淘汰と再編

立ち上げやすかったD2Cは、続ける難しさが顕在化。
CRM・LTV設計ができないブランドは撤退が相次ぎました。

⑦ ドラッグストアPBの進化

価格訴求だけでなく、成分・機能で選ばれるPBが登場。
NBとの競合はさらに激化しています。

⑧ サステナブルの「実務化」

理念ではなく、調達・表示・物流レベルでの実装が評価基準に。
“言っているだけ”は見抜かれる時代です。

⑨ 小売現場の人材不足が深刻化

販売員不足により、売場オペレーションの再設計が急務に。
デジタル接客・省人化ツール導入が進みました。

⑩ 情報発信力が企業価値を左右

ブランドも小売も、「語れるかどうか」が集客・採用・取引に直結した一年でした。


2025年の課題から見える本質

背景として見えてくるのは、「商品力 × 情報発信 × 顧客理解」の掛け算です。

どれか一つ欠けても、持続的な成果にはつながりません。


2026年に向けた実践ポイント

✔ 数字だけでなく“理由”を伝える

なぜこの価格なのか、なぜこの成分なのか。
説明できること自体が価値になります。

✔ 小さくても情報発信を続ける

ブログ・SNS・店頭POP。
完璧でなくていいので、止めないことが重要です。

✔ 顧客の「生活」に目を向ける

トレンドよりも、使われ続ける理由を設計する視点が求められます。


まとめ|2025年は「基礎力」が試された年

2025年は派手なブームよりも、地力のある企業・ブランドが評価された一年でした。

美容業界はまだまだ魅力的です。
ただし、やり方は確実に変わっています。

この振り返りが、あなたや皆さんの次の一手を考えるヒントになれば嬉しいです。

私はこれからも、1分で本質がわかるビューティビジネスを発信していきます。