トレンドをあえて外す勇気、それが逆張り

化粧品業界では、「みんなと同じ」で目立つのは難しい時代。
そんな中で成功を収めたブランドには、あえて“逆を突く”選択をした共通点があります。今回は、実際に逆張り戦略で成功した2つのブランド事例を紹介します。
【事例①】rom&nd(ロムアンド)──盛れるを武器にした韓国発ブランド

ナチュラルメイクがトレンドの中、「盛れる」「映える」を前面に打ち出したrom&nd(ロムアンド)は、まさに逆張りで成功した代表例。
高発色な「ジューシーラスティングティント」、大胆な色使いの「ベターザンアイズ」など、Z世代の感性に刺さる製品を展開し、TikTokやInstagramを中心に爆発的ヒット。
“透明感”や“抜け感”が主流だった市場で、「あえて色をのせる」「しっかりメイクが楽しい」という価値を示し、ナチュラル疲れの若年層から熱烈な支持を得ました。
【事例②】レ・メルヴェイユーズ ラデュレ──サステナブルを逆行する贅沢

“環境配慮”や“シンプルパッケージ”が化粧品業界の常識となりつつある中、レ・メルヴェイユーズ ラデュレ(アルビオン×ラデュレ)は、重厚で装飾的な世界観を前面に出したブランドとして異彩を放ちました。
花びら型のチークやロココ調のコンパクトなど、“見た目に一目惚れする”非日常感を演出。ミニマルから真逆の方向へ舵を切り、「持っていて気分が上がる」「飾りたくなる」ことを価値とした設計が大人世代に刺さりました。
2023年にブランド展開は終了しましたが、その美意識は多くのコスメファンに記憶される成功例です。
なぜ逆張りが効くのか?

行動経済学では、人は似た選択肢が多くなると、あえて違うものに惹かれる傾向があると言われています。
「どれも似たような商品」に感じる中で、「明らかに違う」ものは比較されず、選ばれやすくなるのです。
メッセージ
「みんなと違うから不安」ではなく、「みんなと違うから勝てるかもしれない」。
rom&ndやラデュレのように、逆張りの中にこそ“独自の価値”があり、それがファンを生む源泉になります。