日本のビューティ業界は約3兆円程度。内訳は、化粧品1.3兆円、美容室1.35兆円、エステ3000億円、理容室2800億円、ネイル1400億円ほどとされています。これでも巨大な市場ですが、世界の中で比較してみると、桁違いに大きな市場を築いたビジネスがあります。それが「ポケモン」です。世界規模で13兆円の市場に育ったポケモンビジネスは、ゲームやアニメだけでなく、グッズ、イベント、ライセンスなど多面的に展開し、国境を越えて収益を上げています。
実は、この展開方法は、美容ビジネスにも応用可能なヒントに満ちています。商圏を拡大すること、取扱商品を広げること、業態を拡張すること。今回は、ポケモンビジネスの展開をモデルに、美容業界での成長戦略を考察していきます。
1. ポケモンビジネスの広がり方

- スタートはゲーム1本
- 1996年にゲームボーイソフト『ポケットモンスター赤・緑』から始まったポケモン。
- キャラクターの魅力と世界観を活かし、アニメや映画へ展開。
- マーチャンダイジングとライセンス戦略
- カード、グッズ、アパレル、文具、食品…。
- ライセンスビジネスを通じて他企業にも「商売させる」形に。
- リアル展開とファン化
- ポケモンセンターやイベント、カフェ、アトラクション施設でリアル接点を強化。
- デジタルとリアルを融合させ、継続的なファンとの関係性を構築。
- 世界へ、そして次世代へ
- 海外展開を意識し、グローバル戦略を強化。
- 親子2世代、3世代にわたるブランドへと進化。
2. 美容ビジネスで応用できる3つのポイント

① 商圏を広げる(地域から全国、そして世界へ)
- オンライン化により、地元のエステ・美容室も全国の客とつながれる時代。
- 越境ECで海外ユーザーへの化粧品販売も可能。
② 取扱商品・サービスを増やす
- 美容室がコスメ販売を、エステがホームケア商品を。
- コラボ商品や限定品などの企画もファン化に有効。
③ 業態を拡張する
- サロンだけでなく、スクール・講座・サブスクサービスへ。
- コミュニティ形成やイベントによって、体験を提供。
3. 「ビジネスの世界観」をつくるという発想

- ポケモンは「キャラ」ではなく「世界観」を売っている。
- 美容ビジネスも「きれいになる」だけでなく、「このブランドと生きたい」と思われる体験・物語をつくることが重要。
【まとめ】
ポケモンは、単なるコンテンツではなく「市場の作り方」を教えてくれます。商圏・商品・業態を広げ、「世界観を売る」ことで13兆円市場を実現しました。美容業界でも同様に、自社の枠を越えた視点でビジネスを設計することで、可能性は無限に広がります。まずは「自分のビジネスの商圏」「提供価値の幅」を見直してみましょう。
【次回】業態別!ポケモン式市場拡大の実践アイデア集〜化粧品店・美容室・エステ・ネイルでできること〜
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