よくある商品紹介の落とし穴

コスメや美容アイテムを取り扱う小売店・サロンでは、SNSやチラシ、店頭POPなどで商品を紹介するのは当たり前の活動です。メーカーが提供する素材やキャッチコピーをそのまま使っているケースも多いでしょう。
しかしここに大きな落とし穴があります。「商品広告=メーカーの宣伝」で終わってしまうことです。これでは「その商品を欲しい人」が、より安く・便利に購入できるお店へ流れてしまい、自店への来店動機にはつながりません。


なぜ「商品紹介PR」だけでは集客できないのか

  1. 価格競争に巻き込まれる
     商品だけをPRすると、お客様は「どこが安いか」で比較してしまいます。結果として価格訴求に偏り、利益が削られる危険があります。
  2. お店の存在意義が薄れる
     「どのお店でも買える商品」だけを推すと、店そのもののブランド価値が伝わらず、記憶にも残りません。
  3. ファン化につながらない
     商品をきっかけに来ても、再訪の理由がなければ長期的な顧客育成ができません。

自店PRの正しい方向性

「お店で買う理由」を明確にする

  • 専門スタッフによる肌診断やカウンセリング
  • 購入後のアフターサポート(使い方相談・交換保証など)
  • ポイントアップデーや限定サンプル配布

「体験」を打ち出す

  • メイク体験会やスキンケア講習
  • 季節限定のイベント(UV対策チェック、秋冬乾燥対策など)

「お客様の声」を活用する

SNSや広告では、実際に来店したお客様の感想や体験談をシェアすることで、他店にはない信頼感を醸成できます。


具体的なPRの工夫

  • Instagram投稿:「今週末限定!肌診断でサンプルプレゼント」など“自店ならでは”のメリットを伝える
  • LINE配信:来店時に受けられるサービスや特典を配信することでリピート率UP
  • 店頭POP:メーカーコピーではなく「当店で人気No.1」「スタッフおすすめの使い方」を強調

まとめ:広告は“自店のため”に

広告やSNSは単なる「商品の紹介ツール」ではなく、お客様を“自店”に呼び込むための戦略ツールです。メーカー素材を使うにしても、「お店ならではの価値」を必ずプラスすることが重要です。
つまり、広告の目的は「商品を売ること」ではなく「お店を選んでもらうこと」。この視点を忘れなければ、広告投資のリターンは確実に高まります。