■ なぜ“11月11日=ポッキーの日”なのか?
毎年SNSを中心に盛り上がる「ポッキーの日」。11月11日、スティックが4本並ぶ形から生まれたこの記念日は、もはや“国民的キャンペーン”とも言える存在です。
単なる販促イベントを超えて、「ブランドそのものが季節の風物詩になった」代表的な事例。それが江崎グリコのポッキーのブランディング力です。
■ 年1日の“記念日マーケティング”がブランドを強くする

ポッキーの日が秀逸なのは、消費者の「参加型体験」を生み出している点です。
SNS投稿キャンペーン、友達とシェアする動画広告、コンビニ限定パッケージなど、毎年テーマを変えて“遊び心”を提供しています。
この継続的な体験設計が「ファン文化」を醸成し、11月11日になると自然に話題が生まれる。まさに“ユーザーが自主的に拡散するブランディング”の成功例です。
■ お菓子ブランドに共通する「幸福感ブランディング」

お菓子業界のブランド設計には、共通する3つの黄金法則があります。
- ポジティブな感情訴求
「食べると幸せになる」「シェアしたくなる」という前向きな感情を、味・デザイン・広告で一貫して伝える。
→ ポッキーは「Share happiness」というシンプルで強いメッセージで世界共通ブランドに。 - “日常に溶け込む”デザインとコミュニケーション
パッケージデザインや写真の世界観が“生活の一部”として自然に映える。
→ SNS映えを意識したプロモーションがZ世代にも支持。 - 季節・行事との結びつきで、消費の“口実”をつくる
記念日や限定キャンペーンが、購入動機を後押しする。
→ 「今日はポッキーの日だから買おう」という“行動トリガー”を作り出すのが鍵。
■ ビューティ業界に応用するなら?

美容業界でも「記念日×体験」の仕組みは応用可能です。
たとえば、
- 3月8日「ミモザの日」=“女性を祝うスキンケアキャンペーン”
- 7月7日「七夕」=“願いを叶える香水フェア”
- 11月11日=“自分を甘やかすセルフケアデー”
このように「季節イベント×ブランドメッセージ」を組み合わせれば、SNSや店頭での体験価値がぐっと上がります。
■ 成功のポイントは「記憶に残る一言」

ポッキーが“シェアハピ”で印象を残したように、美容ブランドも「一言コピー」で差がつきます。
「輝く明日を、肌から。」「365日、わたしを整える。」など、感情を刺激するワードは“ブランドの人格”そのもの。
単なる商品説明ではなく、“想いを共感で伝える”時代のマーケティングです。
■ まとめ:ブランディングは「継続する遊び心」

ポッキーの日のように、1年に1回でも“心が動く体験”を続けること。
それが、ブランドを「記憶」から「文化」に育てる第一歩です。
美容業界も、“商品を売る”から“幸せをシェアする”へ。
お菓子業界に学ぶべきは、楽しさの中にある一貫したブランド哲学なのです。

