資生堂の提供する「omise plus」。便利な仕組みですが、マーケティング担当者としてはユーザー体験と売上設計のギャップを理解しておくことが重要です。

購入動機は「近さ」や「知名度」だけでは決まらない

ユーザーは必ずしも近くのお店や有名ブランドを選ぶわけではありません。重要なのは、

  • 自分の目的に合うか:肌悩みやメイクの仕上がりなど具体的なニーズ
  • 情報のわかりやすさ:商品の特徴やレビューが簡単に確認できること
  • 購入の簡単さ:スムーズに購入できる体験
  • 信頼感:お店やメーカーに対する安心感

つまり、ユーザーは「どのお店で買うか」よりも、購入体験全体を重視します。

「いつものお店でプラスのお買い物」はメーカーサイト?

omise plusでは、購入時に「どのお店で買うか」を選ぶ画面が出ます。しかし、これは多くの場合メーカーと店舗の売上計算の都合であり、ユーザーには意味が分かりません。その結果、

  • 「いつものお店で買う」という感覚が薄れる
  • 店舗独自のブランド体験や顧客との関係性が希薄になる
  • ユーザー体験と売上施策が乖離するリスク

があります。

マーケティング担当者が意識すべきポイント

  1. ユーザー視点で購入体験を設計
    ユーザーは簡単でわかりやすい購入体験を求めます。お店選択画面など、複雑なフローがコンバージョンに影響する場合があります。
  2. 施策と売上構造のギャップを把握
    投稿や広告で「いつものお店で買える」というイメージを出す場合、購入プロセスとの齟齬を避ける工夫が必要です。
  3. ブランドと店舗の価値を両立
    omise plusの利便性を活かしつつ、店舗独自のカラーやサービス価値をユーザーに伝える方法を検討しましょう。

まとめ

omise plusは便利な購入フローを提供しますが、マーケティング視点では「ユーザー体験」と「売上設計」のギャップに注意することが重要です。施策設計の段階でこのギャップを意識することで、コンバージョンを落とさずに売上を最大化できます。