日本の化粧品ビジネスを語るうえで欠かせないのが、専門店市場を支えてきた4大メーカー。
それが 資生堂・コーセー・カネボウ・アルビオン です。
それぞれの社風や代表ブランドを並べてみると、まるで会社が1つのキャラクターのように見えてきます。今回は、個人的な“見え方”をユーモアを交えて整理してみました。
資生堂:コンプライアンス至上主義の「ザ・サラリーマン」

資生堂は日本を代表する化粧品メーカーで、専門店ルートでも強い存在感を放ちます。
代表ブランドは クレ・ド・ポー ボーテ、ベネフィーク、エリクシール など。
社風を一言でいえば、「コンプライアンス第一」。どんなに売上が欲しくても、ルールを破ることは絶対にNG。ザ・サラリーマン的な“模範解答”が好きな会社です。現場にとっては「もうちょっと柔軟でも…」と思うこともありますが、取引先からすれば安心感は抜群。
コーセー:小林ファミリーの「体育会系・家族主義」

コーセーは創業家の小林ファミリーが今なお中心にいます。
代表ブランドは デコルテ、アディクション、雪肌精 など。
社風を一言でいえば、「体育会的な家族主義」。困ったときは真っ先に駆け付けてくれる親戚のお兄ちゃんのような存在感です。イベントでも「声出していこう!」的なノリがあり、チームワークを重視。現場からすると、「ちょっと暑苦しいけど頼りになる」というイメージでしょう。
カネボウ:サラリーマン的だが「花王との同居でギスギス」

カネボウは老舗メーカーですが、現在は花王グループの一員。
代表ブランドは ルナソル、トワニー、DEW など。
社風を一言でいえば、「サラリーマン的」ですが、花王との関係は微妙。同じ家に住んでいるけど、お互いの生活スタイルが違っていて、ちょっとギスギスしている同居人…といった印象です。ブランド力は高く、特にルナソルは専門店において「指名買い」が強いですが、現場には「上と下の温度差」が残りがち。
アルビオン:独裁帝国。「上は絶対」のカリスマ主義

アルビオンはコーセーグループに属しながらも、完全に独自路線。
代表ブランドは エクシア、アンフィネス、イグニス など。
社風を一言でいえば、「独裁帝国」。トップの意思は絶対で、現場はひたすら従うのみ。軍隊的ともいえる組織力があるため、ブランドの世界観は徹底的に統一されています。現場のスタッフからすると「大変だけど誇りを持てる」会社。ファンづくりの強さは4社の中でも際立っています。
4大メーカー比較まとめ

- 資生堂:安心安全。模範的サラリーマン。
- コーセー:家族的体育会。仲間思い。
- カネボウ:花王と同居するサラリーマン。時々ギスギス。
- アルビオン:独裁帝国。徹底主義。
化粧品ビジネスに携わる人への示唆

これら4社の違いは、単にブランドの違いだけではなく、商談の進め方・販促企画・現場のコミュニケーションにも直結します。
同じ「専門店ルート」でも、資生堂相手には「誠実にルール遵守」、コーセーには「体育会ノリで共感」、カネボウには「花王との兼ね合いを理解」、アルビオンには「絶対的ブランド方針を尊重」…とアプローチを変える必要があるのです。
化粧品ビジネスを動かすのは、商品力だけでなく「メーカーの社風」そのもの。そこを理解しておくと、取引や企画の成功確率はぐっと高まります。