「間違っていたらどうしよう」「変な目で見られたくない」

それが、“心理的安全性”を求める本能です。集団の中で浮かずに安心していられる状態。ビジネスの現場でもよく見られるこの感覚は、チーム内の円滑な協調には役立ちます。
しかし、ことイノベーションや競争優位の獲得には、これが足かせになることがあります。
【事例】売れる前に仕掛けたブランドはなぜ伸びたか?

たとえば、某SNS映えコスメブランド。ローンチ当初は「色が派手すぎる」「日本人には使いにくい」と周囲に言われたにも関わらず、ターゲットをZ世代に絞り、TikTokで動画映えする“世界観”を徹底。その後、数ヶ月で完売・バズという成功を収めました。
このブランドの担当者が語ったのは、「最初の社内会議では、否定的な声も多かったけど、売れる前に仕掛ける勇気が大切だった」という言葉。
なぜ多くの人は「無難な道」を選んでしまうのか?

行動経済学の視点では、人は損をしたくないという思いが強く、未知のリスクを避けがち。さらに、心理的安全性を維持しようとすることで、「空気を読んだ行動」に終始してしまいます。
しかし、その“無難”の先にあるのは、競合と変わらない「埋もれるビジネス」です。
成功するには「安全性の外側」に踏み出すこと

どんなに正しい仮説でも、実行しなければ結果はゼロ。
失敗するかもしれない、笑われるかもしれない。でも、「今までと違う一手」にこそ、新しい成功が隠れています。
メッセージ
心理的安全性は心を守りますが、ビジネスを守るとは限りません。“違和感”を行動に変えた人だけが、新たなマーケットをつくっているのです。