化粧品が買える場所は、今や多様化しています。百貨店、化粧品専門店、バラエティストア、ドラッグストア、ECサイト──。それぞれのチャネルに、消費者は独自のイメージや期待、逆にハードルを感じています。
この記事では、主要な5つのチャネルについて、消費者がどのような印象を持っているかを整理しながら、店舗運営者が自店の立ち位置や訴求ポイントを見直すヒントを提供します。

百貨店:高級・安心・でも近寄りがたい

消費者のイメージ:
- 高級感がある、ラグジュアリーなブランドが揃っている
- 専属のビューティーアドバイザー(BA)が丁寧に接客してくれる
- でもちょっと緊張する…気軽には入りづらい
- 勧められると断りづらく、買わなければならないプレッシャーがある
強み:
- 信頼感、接客力、ブランドの世界観
弱み:
- ハードルの高さ、敷居の高さ、価格面の心理的障壁
化粧品専門店:相談できる安心感と、閉鎖的な空間のギャップ

消費者のイメージ:
- 美容部員がいて、相談に乗ってくれる安心感がある
- 常連さんが多そうで入りにくい
- 店内が狭く、入るとすぐ接客されそうで落ち着かない
- 店の雰囲気が少し“閉鎖的”に感じる場合も
強み:
- 専門知識、親身なカウンセリング、地域密着
弱み:
- 新規客の入りづらさ、オープンさの不足、古くさいイメージになりがち
バラエティストア:自由に選べて、見ていて楽しい

消費者のイメージ:
- 商品が豊富で、見ているだけでも楽しい
- トレンドやSNS映えするコスメが多い
- 気軽に手に取れて、買いやすい
- 接客がほとんどなく、気楽に買える反面、相談はできない
強み:
- トレンド性、自由な雰囲気、若年層への吸引力
弱み:
- 説明不足、個別対応ができない、商品知識が必要な人には物足りない
ドラッグストア:使いやすさと価格の手頃感

消費者のイメージ:
- 手頃な価格帯の商品が多く、試しやすい
- 日用品感覚で買える
- 薬剤師や登録販売者がいて安心感があるケースも
- 品ぞろえに偏りがあり、専門性は感じにくい
強み:
- 気軽さ、価格帯、利便性(ついで買い)
弱み:
- 化粧品への専門性が低い、トレンド性が弱い、ブランドの世界観が伝わりづらい
EC:情報が豊富だけど試せない

消費者のイメージ:
- 成分やレビューなど、情報がたくさんあって比較しやすい
- 口コミやランキングが判断材料になる
- 商品の実物がわからない、色味や香りがイメージしにくい
- 配送や返品の不安がある
強み:
- 情報の豊富さ、利便性、在庫の豊富さ
弱み:
- 実体験の欠如、信頼性(偽物への不安)、試せないことによる購入の迷い
店舗運営者へのヒント:自店の「チャネル像」を活かすには

それぞれのチャネルには、消費者の視点による“イメージ”と“体験”が存在します。運営者としては、それを活かして、
- 自店の強みをさらに伸ばす
- 弱みを補う工夫をする(例:専門店がEC連携で情報を補完)
- 来店前に期待されている体験とギャップを作らない
といった視点が求められます。
「消費者がどう感じているか」を知ることは、マーケティングの第一歩。 自店を他チャネルと比較しながら、改善と強化の方向を考える材料にしてみてください。
💡 チャネル別 改善アクションリスト
チャネル名 | 消費者の弱みイメージ | 改善アクション例 |
---|---|---|
百貨店 | 敷居が高く、プレッシャーがある | – フレンドリーな接客・声かけなしの自由体験ゾーン設置 – トライアルキットの充実 |
化粧品専門店 | 閉鎖的・常連向け、入りづらい | – 外から見える開放的レイアウトに変更 – ウェルカムPOPやSNS発信の強化 |
バラエティ | 情報が少なく相談できない | – 簡易的な「POPでの使い方説明」 – 人気ランキングやスタッフレビューの掲示 |
ドラッグストア | 専門性が感じられず、トレンドに遅れている | – BAの導入(または美容相談日) – トレンドコーナーやSNS連動棚の設置 |
EC | 試せない、実感できない | – バーチャルメイクや成分診断コンテンツ – 商品別レビュー動画やライブ配信導入 |
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