オフィス用品通販大手のASKUL(アスクル)は、文房具業界に大きな構造変化をもたらしました。従来、地域の文房具店や卸売を介していた流通経路を、企業・個人が直接オンラインで安価に購入できるモデルへと一変させ、文房具の購買行動を根底から変えたのです。

ASKULが文房具業界にもたらした変化

  • BtoBからBtoCへも拡張:法人顧客に加え、個人にも展開(LOHACO)
  • 小売店を介さない直接販売:中間マージンの排除で価格競争力強化
  • 物流の最適化:翌日配送システムの構築により利便性アップ
  • 品揃えの圧倒的広さ:専門店以上の在庫力

これにより、小規模文具店の淘汰が進み、「どこでも買えるが、どこでも同じ」という市場構造ができあがりました。

今後、化粧品業界でも同様の構造変化が起きるのか?

  • Amazon・楽天・LOHACO・Qoo10などの大手ECが台頭
  • 中間業者や専門店を経由しないD2Cブランドの拡大
  • サブスクやAI診断など“便利・手軽”への価値シフト
  • ロジスティクスの進化による即日・翌日配送の常態化

これから起こるのは、「どこでも買える化粧品の均質化」と「専門性やブランド体験の再定義」です。

化粧品店が生き残るために必要な視点

  • 問屋・中間流通に依存しない独自の価値提供
  • スタッフによるリアルな接客体験の再強化
  • 地域密着の肌診断・レッスン・体験型の導入
  • PB開発・独自仕入れ・メーカー連携による差別化

ASKULが示した未来は、利便性と価格競争力の時代の到来です。そのなかで生き残るには、「人にしかできない体験の提供」こそが鍵となるでしょう。

文房具業界と化粧品業界の構造変化 比較表

項目文房具業界(ASKUL導入前)文房具業界(ASKUL導入後)現在の化粧品業界今後の化粧品業界(予測)
主な販売経路文房具店・専門卸ASKULなどの通販直販百貨店・専門店・ドラッグストアEC直販・D2C・マルチチャネル
顧客ターゲット法人(BtoB)中心法人+個人(BtoC)も主にBtoC、最近はBtoB向けECも増加パーソナル化されたBtoC+BtoB強化
購入手段店舗訪問・電話注文オンライン注文・定期便店舗購入・EC併用AI提案・定期購入・アプリ経由
流通構造多段階(メーカー→卸→小売)メーカー→ASKUL(簡素化)多段階+一部D2C化D2C拡大、物流・中抜き進行
差別化要素品揃え・価格スピード・利便性・価格ブランド・カウンセリング体験・パーソナル提案・専門性
店舗の役割主要チャネルサポート的役割に縮小ブランド体験・接客の場体験と信頼の拠点(再定義)
生き残り戦略独自品揃え・地元密着ECと連携するか撤退サービス・顧客関係性デジタル+人の融合で差別化

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