~再来店につながる5つのしかけ~
化粧品専門店や百貨店の店頭において、**「一度来たらまた来たくなる店舗体験」**がリピーターづくりの鍵を握ります。ただ商品を売るだけの場ではなく、「記憶に残る接点」を生み出す場に変えていくことで、お客様の再来店率は大きく向上します。
本記事では、店舗運営・接客担当者向けに、明日から実践できる5つの体験型工夫をご紹介します。

1. 五感を刺激する演出づくり
香り・音楽・照明・ディスプレイなど、五感に訴える空間設計は、心理的な心地よさや高揚感を生み、再訪したくなる印象につながります。
例)ブランド別に香りを変える、季節に合わせたBGMを流す、商品と連動したディスプレイ演出
2. 接客のパーソナライズ化
「〇〇さん、前回の美容液いかがでしたか?」というように、一人ひとりに合わせた声かけや記憶に残る接客が再来を後押しします。
デジタルカルテや接客メモを活用して、“覚えていてくれた”体験を提供しましょう。
3. リピートにつながる体験型タッチアップ
商品を塗るだけのタッチアップではなく、使い方・変化・組み合わせ提案を含むストーリー型の体験が満足度を高めます。
例)「この化粧下地+今日のファンデでどこまでカバーできるか見てみましょう」
4. “また来たくなる”会話づくり
購入に直結しない何気ない会話が、心理的距離を縮める鍵です。季節の話題、肌悩み、生活スタイルなどから広がる「雑談力」を磨くことで、信頼が生まれます。
5. 次回来店の“きっかけ”を渡す
「このサンプル、1週間後に効果を感じると思うので、その頃にまた寄ってくださいね」など、次回来店の理由を用意する提案が有効です。
手渡しのサンプル、次回使える特典、タッチアップ予約などで“訪れる意味”をつくりましょう。
再来店を促す「店舗体験」づくりに成功している百貨店・専門店の事例

✅【事例①】伊勢丹新宿店ビューティアポセカリー
“美容と健康の融合”を五感で体験させる場づくり
ポイント:
- 化粧品だけでなく、インナーケア・漢方・アロマ・スーパーフードを一体展開
- 座ってゆっくり体験できるタッチアップカウンター
- スタッフが“カウンセラー”のように体調・悩みを聞く接客スタイル
成果:
顧客の平均滞在時間が長く、ひと月に複数回来店するファンが多数。
“体調に合わせて相談できる場所”としてリピート率が高い。
✅【事例②】アインズ&トルペ(都心型ドラッグ・コスメ専門店)
パーソナライズ接客+SNS映えの仕掛けが若年層にヒット
ポイント:
- 購入履歴・肌診断結果を元におすすめを提案する「アプリ連携カウンター」
- 店舗ごとに異なるデザインの“フォトスポット”やサンプリングイベントを開催
- スタッフがSNSで商品紹介 → 来店動機に直結
成果:
「気軽に相談できて、おしゃれで楽しい」とSNSでも拡散。20代女性の再来店率が高く、初回購入から3か月以内の再訪者が多数。
✅【事例③】KANEBO(タッチアップ特化型体験ブース)
「未来の肌」を感じさせるタッチアップで顧客の期待感を創出
ポイント:
- メイクアップアーティストによるパーソナルカウンセリング+骨格分析
- タッチアップ中に、使う順番・使用感・未来の肌状態をシミュレーション
- 体験後に“次回はスキンケア体験を”と自然に再来店を提案
成果:
初来店からリピーターへの転換率が高く、カウンセリング体験後の再購入率は70%以上(※一部ブランド調査データより)
▶ 共通点は「ただ売らない」「心を動かす体験設計」

成功事例に共通するのは、「来た意味がある」と思える体験型設計と、次につながる声かけや仕掛け。
化粧品はモノだけでなく、「感じた価値」で再来店が決まります。
まとめ|リピーターは「感情」で動く
顧客は、「また会いたい」「もう一度体験したい」と感じたときに再来店します。再来店を促すのは感情を動かす体験づくり。
店舗の強みは、顔が見えるリアルな接点です。デジタルでは得られない“心が動いた”体験を意識し、次の来店につながる関係づくりを目指しましょう。
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