市場の現在地
メンズコスメ市場は、2024年時点で国内約800億円規模(矢野経済研究所)に成長。特にZ世代を中心に「スキンケアは身だしなみ」と捉える意識が浸透し、洗顔・化粧水・日焼け止めといった“ライトケア”商品が広く支持されています。
大手ブランドでは、資生堂の「ウーノ」、コーセーの「オトナ肌対策シリーズ」などが堅調。一方、韓国ブランドやD2C発の新興ブランドが感度の高い層を獲得しています。

■ 拡大の背景
- SNSやYouTubeでの美容系メンズインフルエンサーの発信拡大
- 脱毛・美容医療の普及による男性の美容意識の向上
- コロナ後の外出増により、対面を意識したケア需要の復活
■ 今後の成長余地と開発ヒント
今後、メンズコスメ市場には以下のような成長ポテンシャルが見込まれます。
- Z世代・α世代への“初期教育型”ブランド
→ スキンケアの習慣化を支援するステップ提案が鍵 - ビジネスマン向け“見た目印象改善コスメ”
→ BBクリーム、コンシーラー、トーンアップ下地などの需要増 - パートナー・家族とシェアできる“ジェンダーレス設計”
→ 香り・パッケージ・機能面でのニュートラル設計が差別化に - オンライン診断・AI肌分析との連動
→ 個別最適化による“選ぶ不安の軽減”が購入の後押しに
■ 開発者への提言
「男性はまだ化粧品を買わない」ではなく、「最初の買い方がわからない」が実情。わかりやすい導線・ステップ・使用後のメリット提示が今後のブランド成長の鍵です。
メンズインフルエンサー活用成功事例5選

メンズコスメ市場拡大において、インフルエンサーの影響力は絶大。特にYouTubeやTikTokでは、親しみやすいレビューや使い方解説が新規ユーザーを動かしています。
成功事例ピックアップ:
- @けんごくん(YouTube)
ベーシックなスキンケア解説が人気。ドラッグストア商品中心のレビューで共感度高。 - @だいすけ / メンズメイク研究所(TikTok)
メイク初心者向けの「バレないメイク」シリーズが好評。 - @メンズ美容家Tommy(Instagram)
30〜40代向けに「清潔感」「アンチエイジング」をテーマに発信。 - 韓国系KOLとのタイアップ
韓国ブランドが日本男性ターゲットに仕掛けた「日韓メンズコラボ」が話題に。 - 企業公式×インフルエンサー共演企画
化粧品メーカーが公式アカウントで“メンズ美容体験企画”を配信。信頼性と話題性の両立。
開発のヒント:
「教えてくれる存在」がいることで、“初めての壁”を超えられる。ターゲット層の心理に沿ったインフルエンサー起用が鍵。
メンズD2Cブランド成功の条件とは?

EC起点で急成長を遂げるメンズコスメD2Cブランド。その成功の裏には、機能性+世界観+接点設計の3要素が存在します。
成功ブランドの共通点:
- HOLO BELL
シンプルで高機能。仕事帰りに使えるオールインワンが主力。 - BULK HOMME
世界観重視。洗顔→化粧水→乳液のステップを丁寧に訴求。 - MULC
“隠す”ではなく“整える”を提案。BBクリームやスキンミストが人気。
成功のポイント:
- UI/UXの徹底追求:スマホで迷わず選べるサイト構造
- お試し導線の設計:定期縛りなしのトライアルやスターターキット
- ストーリー性のある商品説明:「なぜこの製品が必要か」背景を語る
開発のヒント:
「なぜこのステップが必要か?」という共感ストーリーの設計と、「初めてでも選びやすい」UXがカギ。
EC・化粧品売場におけるメンズ展開の最適解

男性が“買いたい”と思ったとき、どこで・どう買えるかが重要な分岐点になります。
店舗成功事例:
- @cosme TOKYO(原宿):メンズ専用売場を常設。香りや手触りを試せる体験設計。
- ロフト・東急ハンズ:ギフト需要を視野に入れた売場構成。パートナー需要にも対応。
- ドラッグストア(マツキヨ・ココカラ):スキンケア棚に“男性にも”と一言あるだけで手に取られやすく。
EC成功の鍵:
- 「男性専用」フィルターやカテゴリの明示
- 使用ステップを画像+短文で見せる
- 購入後レビュー投稿者の顔出し率UP → 共感で購買意欲向上
開発のヒント:
「売場が語るストーリー」も重要。“自分ごと化”を促す売場設計・EC導線がカギ。
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